「ボールに想いをのせて──
長谷川まりな、信じる力と支える心


聞き手:スタッフ・青木 / 話し手:長谷川まりな(Marina Hasegawa) 選手


チームのムードメーカーとして、笑顔と信頼で仲間をつなぐ長谷川まりな選手。
母の背中に憧れて始めたバレー人生は、今、翠嵐グリフィンズという舞台で新たな輝きを放ち始めています。
教育学部に在学しながら、日々の練習・試合・大学生活を全力で駆け抜けるその姿には、自然と応援したくなる魅力が詰まっています。
今回はそんな彼女の素顔と、支えてくれるファンへの想いをお届けします。

小さな憧れから──母と一緒に歩き始めたバレー人生

青木: まず、バレーボールを始めたきっかけを教えてください。
長谷川選手: 母が元バレーボール選手で、子どものころからよく一緒に試合を見に行っていました。
試合中の母の姿を見て、「私もあんなふうにコートで走り回りたい!」と自然に思うようになったんです。家でも母と一緒にボールを触ったり、アタックの真似をしたりして遊んでいて、バレーが身近にある環境でした。
青木: 最初からバレーに憧れていたんですね!始めた当時のことは覚えていますか?
長谷川選手: 小学生のときに地元のミニバレー教室に通い始めました。
最初はサーブも全然届かなくて、ボールも上手く扱えなかったです。悔しくて、帰り道に泣いたこともありました。でも、母が「最初から上手な人なんていないよ。ナイスって言える気持ちを忘れなければ、それで大丈夫」って言ってくれて。小さなことでも母が「ナイス!」って言ってくれたのが嬉しくて、自然と笑顔になって、続けようと思えました。
青木: 小さいころから支えてくれる存在がそばにいたんですね。お母様とのエピソードで、特に心に残っていることは?
長谷川選手: 初めての公式戦で、ものすごく緊張してしまって、サーブを打つ前に体が動かなくなったんです。そのとき、タイムアウトで母がベンチに近づいて「笑顔だけは忘れないで」って言ってくれて。その言葉で気持ちがスッと軽くなって、思いきりプレーできました。今でも、大事な試合の前にはその言葉を思い出して、心を整えるようにしています。

■翠嵐グリフィンズでの日々──支え合い、成長する場所

青木: 今所属している翠嵐グリフィンズについて教えてください。
長谷川選手: 翠嵐グリフィンズは、技術だけでなく人間関係の温かさでも成長させてくれる場所です。
チームメイトがミスをしても、「どんまい!」とすぐに声をかけ合える雰囲気があって、試合中もお互いの気持ちが通じているような感覚になります。練習後には、「あの場面、どうしたらよかったかな?」と自然に話し合いが始まるような、前向きな空気に満ちたチームです。
青木: 山本優香(Yuka Yamamoto)選手とは大学の同級生でもあるそうですね?
長谷川選手: そうなんです。同じ教育学部で、講義もいくつか一緒に受けています。
授業中にこっそりバレーの話をしちゃうこともあって(笑)。テスト期間になると、「練習後に勉強しよう!」と声を掛け合って、大学生活もバレーもどちらも楽しみながら頑張っています。大学とチームが両方大切に思えるのは、優香選手をはじめ周りの仲間のおかげです。
青木: 両立は大変だと思いますが、どうやって乗り越えているんですか?
長谷川選手: 自分ひとりだったらきっと折れていたかもしれません。
でも「一緒に頑張ろう」って言ってくれる仲間の存在があるからこそ、練習も授業も前向きに取り組めます。授業の合間に軽い筋トレをしたり、練習後に試合動画を見ながらお互いにアドバイスし合ったり。日々の積み重ねを信じられるのは、この環境があるからこそです。

■セッターとして──迷わずにボールを託す

青木: セッターというポジションにはどんな想いがありますか?
長谷川選手: セッターはチームの「舵取り役」だと思っています。
トスの選択ひとつで流れが変わってしまうこともあるので、常に冷静でいなければいけません。でも同時に、相手に「任せて」と思ってもらえるような安心感を与えられる存在でありたいです。
青木: そのプレッシャーの中で、迷いなく判断するためにどんな努力をしているのでしょう?
長谷川選手: 練習中から「本番だと思ってプレーする」ことを意識しています。
状況判断のスピードを鍛えるために、練習でも自分の選択に責任を持ってトスを上げています。自分が信じることが、味方の自信にもつながると信じているので。
青木: チームメイトとの信頼関係も重要ですね。
長谷川選手: それは本当に大きいです。
たとえば、美咲(Misaki Kawabata)は「どんなトスでも決めるから迷わず上げて!」って言ってくれるんです。そう言ってもらえると、こちらも安心して思い切ってトスを上げられる。そういう関係性があるからこそ、チームとしての力が最大限発揮できると思っています。

■SNSとファン──つながりの力を感じて

青木: 最近はSNSでの発信にも力を入れていると聞きました。
長谷川選手: はい、少しでも多くの人にバレーボールの魅力や、私たちの日常を伝えたいと思って、できるだけこまめに投稿するようにしています。
最初は緊張もありましたが、「投稿楽しみにしてます!」という声をもらってから、今では私の大切な習慣のひとつになりました。
青木: 応援してくれる方々との交流で、印象に残っているエピソードはありますか?
長谷川選手: はい、ある方が、私の試合中の笑顔の写真をSNSに載せてくださって「この笑顔を見ると元気が出る」ってメッセージをくれたんです。
そのとき、「見てくれてる人がいるんだ」と心から感じて、本当に涙が出そうになりました。それからは、どんな時でも笑顔を忘れずにいようって、より意識するようになりました。
青木: ファンとのつながりが、長谷川選手の原動力にもなっているんですね。
長谷川選手: そうですね。正直、うまくいかなくて落ち込むこともあります。
でも、SNSを通じて「応援してるよ」「頑張ってね」って言ってもらえると、すごく元気をもらえます。応援してくださる皆さんのおかげで、私は自分を信じて、また前に進めています。

■未来へ──誰かの明日を少し明るくできる選手に

青木: これからの目標を教えてください。
長谷川選手: セッターとして、もっと判断力と視野を磨いていきたいです。
自分のプレーで流れを作れるようになることが目標です。そして、コートの内外でチームに安心感を与えられるような存在になれたらと思っています。
青木: 将来的には、どんな選手像を思い描いていますか?
長谷川選手: 「まりながトスを上げると安心する」って言われるようになりたいです。
技術だけじゃなく、気持ちの面でも仲間を支えられる存在に。そして、見てくれている人の心をちょっとでも明るくできるような選手になりたいと思っています。
青木: 最後に、応援してくれているファンの皆さんへ一言お願いします!
長谷川選手: いつも本当にありがとうございます!試合会場やSNSでいただく応援の言葉は、私にとって大きな支えです。
これからも感謝の気持ちを忘れずに、一歩一歩成長していく姿をお届けできたら嬉しいです。見守ってくださる皆さんに、少しでも元気や笑顔を届けられますように。


支えてくれる仲間とファンへの感謝を胸に、自然体のまま、一歩ずつ前へ――

長谷川選手の挑戦は、まだ始まったばかりです。
▶ 次回は、チームを陰で支えるスタッフのインタビューをお届けします。お楽しみに。